埼京線の集団痴漢事件で逮捕された1人が株式会社ゆめみのCTO(最高技術責任者)である斉藤祐輔氏であることが話題となっています。
事件そのものも問題な訳ですが、「ゆめみ」が取った対応が非常に問題となっています。
逮捕に関する情報を検索結果に表示させないように隠蔽工作
株式会社ゆめみは自社のウェブサイトに今回の逮捕について、下記のようにコメントを出しています。
このたび、弊社社員が強制わいせつ容疑の疑いで逮捕された件につきまして、誠に遺憾であり、お客さまをはじめ関係の皆さまには多大なご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。 事件の詳細については現在警察において捜査中であり、今後、警察の捜査に全面的に協力して参ります。 事実が明らかになり次第、厳正かつ適正に対処する所存です。 この度の件に対して重ねてお詫び申し上げます。
このような形式的なコメントを出すことは一般的で、ここまでは何ら問題ありません。
しかし、このコメントを出しているウェブページを「ゆめみ」は、GoogleやYahoo!の検索結果の画面に表示されないように、HTMLにnoindexタグを指定しているのです。
noindexタグを設置しているHTMLのページをGoogleなどの検索エンジンは、検索結果に表示させない仕組みとなっています。
これの何が問題なのかというと、表向きは逮捕について自らコメントを出していますが、その事実、即ち自社に都合の悪い事実をネット上で広まらないように隠蔽しようということが見て取れるわけです。
これはIT企業として有るまじき行為であり、以前あったWantedlyのDMCAを悪用して自社に都合の悪いコンテンツをネットの世界から抹消しようとした行為と同じく厳しく糾弾される必要があります。www.zbuffer3dp.com
設定ミスでGoogleなどの検索結果に表示されてしまう
しかし、ゆめみのCTO逮捕に関するプレスリリースページは、11月29日時点でGoogleとGoogleの検索システムを使うヤフーの検索結果に表示されています。
先程紹介したように、逮捕に関するプレスリリースページには検索結果に表示しないためのnoindexタグが書かれているのに、なぜ検索結果に表示されているのでしょうか?
noindexタグを設置しているページが検索結果に表示される理由
noindexタグを設置しているのに、該当ページが検索結果に表示されているのは、Googleのウェブサイトクロールプログラム(Googlebot)がnoindexを認識できていないからです。
ではなぜGooglebotはnoindexタグを認識できないのでしょうか?
それはウェブサイトにあるGooglebotに対する命令書に起因します。
各ウェブサイトではrobots.txtというファイルを設置しています。
このrobots.txtには、Googleなどの検索エンジン用クロールプログラムに対して、クロールを拒否するフォルダや個別記事を指定することが出来ます。
そして、ゆめみが逮捕に関するプレスリリースを出した11月28日時点で、ゆめみのサイトにおけるrobots.txtは以下のようになっていました。
ここで注目すべきは、最後の行に書かれている「Disallow: /ja/news/2017/171127」です。
これはGooglebotなどのクロールプログラムに対して、下記逮捕に関する内容が書かれたウェブページの情報を収集しないように命令している記載になります。
https://www.yumemi.co.jp/ja/news/2017/171127
そして、検索結果に表示させないようにするnoindexタグは171127.htmlに定義されているので、Googlebotはnoindexタグを認識できず、ゆめみの意図に反して検索結果に表示されているというわけです。
これはそれなりにウェブサイトを運用している人ならば把握しているGoogleなどの検索エンジンの仕様です。
仮にもデジタルコンテンツメディアを運営している企業がこんな初歩的なミスを犯してしまうとは、これはこれで中々面白く、恥ずかしいことです。
尚、ゆめみもこの事実に気付いたのか11月29日時点ではrobots.txtファイルから「Disallow: /ja/news/2017/171127」を削除しているため、Googlebotがゆめみの逮捕に関するニュースページをクロールすれば、検索結果には表示されなくなります。
修正すべきところは、そこではなくnoindexの方なんですけどね・・・
憤りを感じるIT企業による隠蔽工作
昨今自動車メーカをはじめとした製造業においてデータ改ざんの問題がテレビメディアで大きく報じられていますが、それら企業はトップが大勢の前で謝罪しています。
それに対して、このところIT企業はいずれ忘れてくれるだろうという魂胆なのか、不祥事に対してインターネットの世界から自社の不祥事や不都合な事実を隠蔽しようとする行為が目立ちます。
このような卑劣な行為を行う企業に対して私達は厳しく接する必要があるのではないでしょうか。