2017年6月2日、Googleのサーチコンソール(Search Console)に新たな機能が追加されました。
追加された機能はサーチコンソールに登録しているサイトで配信されている広告をチェックする機能になります。
Search Consoleの広告チェック機能とは
GoogleのウェブブラウザであるChromeにおいて、2018年の早い時期に特定のルールに従っていない広告を非表示にするという施策が発表されました。
この特定のルールというのが「Better Ads Standards」と呼ばれているものになります。
Better Ads Standardsではデスクトップ環境でウェブサイトが閲覧されている時と、スマホなどのモバイル環境でウェブサイトが閲覧されている時の広告表示において、閲覧者にとって有害な広告表示方法を挙げています。
そして、それらの違反広告が自身が管理するブログ等のウェブサイトにおいて配信されていないかをチェックするのが今回サーチコンソールに新たに追加された広告チェック機能になります。
サイトの広告が Better Ads Standards に違反していないか、訪問者の誤解を招いていないかを確認してください。 「広告に関する問題」は、Better Ads Standards(ユーザーが特に不快に感じると業界で特定された広告に関する問題を集めたもの)に違反している広告や、ユーザーの誤解を招いたり不正な行為となったりする悪質な広告を識別するために作成されました。サイトがどちらかのタイプに当てはまる場合は、「広告に関する問題」に、修正が必要な問題が表示されます。
引用元:https://www.google.com/webmasters/tools/ad-experience-unverified?hl=ja
Search Consoleの広告チェック機能へのアクセス
追加された広告チェック機能を見るには、下記Search Consoleのサイトにアクセスします。
https://www.google.com/webmasters/tools/ad-experience-unverified?hl=ja
すると、下記のようなメニューが表示されます。
広告に関する問題の下に”PC”,”モバイル”とあります。
これは広告のチェック内容がデスクトップなどのPC環境とスマホなどのモバイル環境で異なっているためです。※それぞれのチェック内容は後述
“PC”と”モバイル”どちらかを選択すると下記画面になるので、「確認済みのプロパティを選択」というところをクリックして、確認したいサイトを選びます。
すると、選択したサイトについて広告に関する問題があるかどうかの結果が表示されます。
現時点で私が管理しているサイトは、まだ未審査の状態でした。
もし、審査されて、Better Ads Standardsで挙げられている違反広告があった場合には、広告フィルタリングがオンになってChromeブラウザーでは広告が非表示になることになります。
サーチコンソールの広告チェック仕様の危険性と問題点
サーチコンソールに今回新たに追加された広告チェック機能は、ルートドメインでチェックされているようなのですが、これについては問題点もあります。
それは何かというと、例えば”はてなブログ”にしろ、”FC2ブログ”にしろレンタルブログを利用していて独自ドメインを使っていない場合、どんなブログで問題のある広告が掲載されているか晒される可能性があるということです。
例えばはてなブログでhateblo.jpのドメインを利用している場合、下のようにhateblo.jp全体で違反広告があるのか、無いのか見えてしまう危険性があります。
これについては、SEO専門家の辻さんもTwitterで言及されています。
Search ConsoleのWebToolsの広告チェッカー、やはりルートドメイン全部見られるのか。まぁchromeで表示されなくなったら誰でも気づかれるから問題ない仕様なのかな。しかし「問題ある広告」の閾値次第ではかなり熱い晒しになるなあ。くわばらくわばら。 pic.twitter.com/oHOgBJ7pky
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2017年6月2日
Search ConsoleのWeb Tools、登録サイトのルートドメインの問題ある広告の情報が全部見られる仕様ですが、このように「google com」を見られちゃいます。
やはり問題ある仕様では?Search Console認証のユーザ開放を取りやめるサービスも出てきそう。 pic.twitter.com/wlGTEpacSK— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2017年6月3日
Google様はUXを悪化させるサイトを晒そうという決意なのでしょうか?
今後の展開に目が離せません。
さて、心を落ち着かせて、次にBetter Ads Standardsで挙げられている違反広告について確認していきます。
デスクトップ環境での有害な広告表示例
デスクトップのパソコンでウェブサイトを閲覧した際の有害な広告表示例としては以下のような表示方法があげられています。
- ポップアップ広告
- 自動で音声が再生される動画広告
- サイトを閲覧する前に数秒間表示される広告(youtubeの最初に再生される広告のようなイメージ)
- 画面の下に固定されて表示され続ける巨大バナー広告
確かにこれらの広告は表示されるとイラッとする物ばかりで、ブラウザーの広告ブロックアドインをインストールしたくなるような広告ばかりです。
スマホなどのモバイル環境での有害な広告表示例
次に昨今では主力となったスマホなどでのモバイル環境でウェブサイトを閲覧した際の有害な広告表示例としては以下のような表示方法があげられています。
デスクトップ環境であげられている違反例に4つプラスされて合計で8例挙げられています。
- サイトを閲覧する前に表示される全画面広告(グーグルアドセンスのページ単位広告のモバイル全画面広告も該当しそう)
- 画面の30%以上を占める広告
- バナーをフラッシュして強調するアニメーション広告
- サイトをスクロールして行った時に画面一杯に表示される広告
Google AdSenseのページ単位広告は終了か?
ここまでGoogleサーチコンソールに新たに追加された広告チェック機能について紹介してきました。
そして、広告表示のチェックルールとして「Better Ads Standards」の内容についても触れました。
そこで感じたのが、Google自身が提供しているクリック報酬型の広告であるAdSenseへの影響です。
Chromeの広告非表示機能は、AdSense広告も対象になっています。
特に影響があると思われるのが、比較的新しい広告フォーマットであるページ単位広告で、「Better Ads Standards」で挙げられている違反例に該当します。
そのため、ページ単位広告、特に全画面広告はいずれ廃止されるのではないかと考えています。