Googleアドセンスのコードが2021年7月19日から新しくなりました。
Googleのサイトによると、新しいアドセンスのコードを適用すると、最適化機能がトリガーされるタイミングが従来よりも早くなるため、サイトに掲載された広告のパフォーマンスが向上されると書かれています。トリガーのタイミングが早くなるので従来より広告表示が速くなると読み取れます。
従来のコードと新しいアドセンスコードでページ表示速度を比較した結果
アドセンスコードの読み込み時間に改善は見受けられるが効果は限定的
chromeのデベロッパーツールを用いて行っていて、ブログ記事のファーストビュー表示に要する時間を測定しました。
その結果、新しいアドセンスコードにする事によって0.2秒程度表示速度が向上しているのを確認できました。
特定の条件下による測定のため参考程度に考え、ご自身のブログでも検証してみましょう。
測定条件ですが、ファーストビューにアドセンスが1つ表示される状態で測定を行っており、尚且表示されるアドセンス広告が同じ状態で比較を行っています。使用しているWordPressテーマはSWELLでバージョンは2.4.1.1となります。
表示されるアドセンス広告が異なれば表示時間も変わるので比較できません。
尚、SWELLは、WordPressの高速化専門業者として知られる「スキルシェア」さんと顧問契約を結んでバージョン2.5で高速化の改善が行われていますが、今回の検証では1つ前のバージョンに確認しています。
新しいアドセンスコードに適用でPSIのスコアは向上するのか?
ブログの表示速度を確認するのによく用いられるGoogleのPageSpeed Insights(以下、PSI)のスコアについても確認してみましょう。
PSIのスコア計算はCLS(レイアウトシフト)の配分が30%と最も大きく、ページ表示速度だけを表わしていないので、このPSIのスコアだけで早いとか遅いとかは言えません。
スコア種別 | 従来のアドセンスコード | 新しいアドセンスコード |
---|---|---|
モバイルスコア | 58 | 52 |
パソコンスコア | 86 | 88 |
結果として、パソコンのスコアは上がりましたが、モバイルスコアは新しいアドセンスコードの方が下がってしまいました。
PSIのスコアは、測定するタイミングなどで5前後のバラつきがあるためスコアとしては殆ど変化は無いと言っていいでしょう。
新しいアドセンスコードによってPSIのスコアが向上すると期待された方にとっては残念な結果かもしれません。
尚、アドセンスを使っているブログでPSIのスコア(特にモバイルのスコア)を大幅に向上させたい場合は、遅延読み込み処理を行うことで大幅に改善します。
SEOの観点で言うとPSIのスコアは直接関係なく、フィールドデータでウェブに関する主な指標に合格(Core Web Vitalsが良好)していると表示される方が重要です。
新しいアドセンスコードの変更点と注意点
新しいアドセンスコードは、従来のアドセンスコードに対してadsbygoogle.jsの読み込み時にパブリッシャー IDがパラメータとして追記されたのと、crossorigin属性が追加されています。
?client=ca-pub-1234" crossorigin="anonymous"
新しいアドセンスコードを利用する上での注意点としては、ご自身のブログで使っているアドセンスコード全てを新しいコードにすることです。一部だけ古いコードが残っているとパフォーマンス改善効果を得られない可能性があります。
新しいアドセンスコードの取得ですが、アドセンスのサイトで既存の広告ユニットや自動広告のコードを取得すると既に新しいアドセンスコードに変わっているので、これをご自身のブログにあるアドセンスコードと置き換えてください。
まとめ:改善は僅かでも新しいアドセンスコードを使おう
chromeのデベロッパーツールでは、僅かにですがページの読み込み時間が短縮される効果が見受けられました。
効果としては僅かですが、Googleとしては一個人が行うような評価ではなく、様々な視点で検証し正式リリースしているはずです。
Googleとしては、新しいアドセンスコードに置き換える事は必須とは言っていませんが、ページ表示速度の改善は積み重ねも重要です。
そういった意味では、よきタイミングで新しいアドセンスコードに張り替えておくのが良いでしょう。